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多くの企業で「現在の課題は何ですか?」と確認すると「コミュニケーション」という答えが上位課題としてあげられています。
具体的には、「後輩や同僚とのコミュニケーション」「上司とのコミュニケーション」に課題を感じられていることが多いのではないでしょうか?

これらの課題により、いわゆる「不機嫌な職場」と揶揄されるような社内環境が生まれ、働くことが苦痛になり、離職(退職)につながっていると問題視されています。

この課題を解決するため企業も「報告・連絡・相談」を強化するために報連相セミナー、「言葉の使い方、傾聴力、伝え方」などを強化するためのコミュニケーションセミナーを開催するなどいろいろな手段を講じているものの依然としてこれらの課題がなくなることはなく、むしろ年々大きくなっているのではないでしょうか?

時間もお金もかけて教育・研修を実施しているにもかかわらず、なぜ「コミュニケーション」に課題があるという認識が高いままなのでしょうか?

それは、「コミュニケーション」という言葉事態を悪者にしようとしている他責的な認識が一番の問題ではないでしょうか?
うわべだけを取り繕っても、みんな心の中ではモヤモヤがたまっているのではないでしょうか?

コミュニケーションは、単なるツールでしかありません。
テクニック論で、心の声に蓋をしようとしているという見方もできるかもしれません。

適当なツールを選択できるようにするという意味でコミュニケーションスキルを磨くということは、決して悪いことではありません。
しかしながら、ツールを使うのは、経営者、上司、部下、顧客、関係先を含め人間です。

テクニック論で本音をごまかしながら働きつづけることには限界があります。
自分は会社という組織に属する組織人として「どうあるべきか」「なぜそうあるべきなのか」自責的に明確に理解している必要があるのではないでしょうか?

コミュニケーションという概念が幅広いためいろいろなものをコミュニケーションというカテゴリーに分類するようになっています。
ということは、本質的な課題が何なのか、ドンドンわかりにくくなってしまい、いろいろな課題を同じ種類にまとめて解決を図ろうとする事態にも発展して当然ではないでしょうか?

あえて、「コミュニケーション」という単語を使用禁止にしてみることで、本質的な問題が明確になるかもしれません。

離職(退職)されるタイミングで、「こんなはずじゃなかった」と言われるケースが多々あると思いますが、本質的な認識がずれたまま、事後的にコミュニケーションというツールでカバーしようとした結果ではないでしょうか?

うちの会社(組織)は、「〇〇というルールがあります。」だから「△△という行動をとることが必要になります。」「なぜそんなルールがあるかというと◎◎だからです。」といったことをなかなか切り出せずにいます。

なかなか切り出せない理由は、次のようなものではないでしょうか?

「採用のときに本音をいうとうちの会社に来てくれない」
「パワーハラスメントと言われることを恐れて部下との距離がつめれない」
「個人的に嫌われるのではないかと思うとおっくうになる」
「どうせ言っても伝わらない」
「そもそも明確にルールを決めていない」


組織にとってルールは非常に大切なものです。
スポーツにもルールがあり、国にも法律があるとおり、複数人のコミュニティを運営するにはルールが必要です。

しかもルールは、先にルール説明をしておけば問題になりませんが、後から言うと「言い訳」ととらえられます。

今は自由に生きていくことが当たり前とされており、家族というコミュニティにも所属している感覚がない方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、一人だけで生きていくのであれば責任と引き換えに自由を得るということは可能かもしれませんが、会社というコミュニティに属している以上は、本人だけではそのコミュニティに対する責任が負えないので、本人の自由が制約される部分がでてくることは本質的に当たり前のことです。
当たり前のことですが、この部分を認識されていないことが現場では多々見受けられます。

フリーランスという働き方も増えてきているにも関わらず、フリーランス(外注)と労働者の違いが明確にできていないことも助長しているのかもしれません。

ルールを説明すると離職するという事態も発生するかもしれませんが、中小企業は特に「学歴が高い」、「知識・経験がある」という基準ではなく、「会社にあう人」を雇用することが非常に大切になりますので、自分の会社にあわない人を無理に雇用し続けることは双方にとって負担だけが大きいことになります。

ルールは作って終わりではなく、運用することも大切です。
日々経営環境が変化しますので、変化させていく視点が必要です。

自分の会社には、「どんなルールが必要か?」「なぜ必要か?」
社長一人でルールをつくるより、従業員の意見も募り、社長が決定するというのも有効に機能させる方法ではないでしょうか?

「嫌なことは言わないのではなく、嫌なことでも役割だから、ルールだから正しく伝えること」が必要な時代です。
「感情・感想」と「事実」を切り離して把握し、「感謝」をもって伝達することも非常に必要です。
会社という組織の統制をしっかりと整え、ライバルに打ち勝つ強い推進力をつくりましょう。

コミュニケーションが問題ではなく、基盤となるルールが府落ちしていないことが真因だと私は思います。

大阪ビジネスサポートセンター
代表 南  一啓
http://www.o-biz.jp/